この「見合う」と「似合う」は、似ている意味ながら、使い方が異なる言葉です。
「見合う」の意味や使い方
「見合う」(みあう)は、釣り合いがとれるという意味で使われます。
「これに見合うものはそうはないだろう」と使うと、それと釣り合うものは簡単には見付からないだろうと言っているのと同じになります。
つまり、それととって代わることができる(可能性がある)対象があるかどうかという使い方をする言葉です。
価値的に釣り合うものという解釈で使うことが多いですが、高さや重さなどという意味でも用いることができます。
その場合、「これと見合った高さの~」のような使われ方になります。
「似合う」の意味や使い方
「似合う」(にあう)は、相応しいことの表現です。
例として、「この服に似合う帽子が欲しい」と使った時には、その服に相応しい帽子を求めていると解釈できます。
よって、「見合う」の意味になる「釣り合う」とよく似た使い方になりますが、言い換えになることはまずなく、こちらはあくまで相応しい対象という意味になります。
釣り合いがとれているものがそれになることも多いですが、それと並んでもおかしくないという解釈になり、それにとって代わるという意味ではありません。
「見合う」と「似合う」の違い
「見合う」は、価値や大きさなどが釣り合い、それの代わりになってもおかしくない対象に使う言葉ですが、「似合う」は対象がそれに相応しく、並んで立たせることができるという意味だという違いがあります。
ですが、「見合う」を人に対して使う時には、「似合う」と近い意味になることがあります。
例えば、「エリートの彼に見合う相手はそうは居ないだろう」などと使った時がそれで、「似合う相手」と置き換えても意味が通ります。
ただし、「彼に見合う人材はそうは居ないだろう」とすると、彼にとって代わる人材は~という意味になるので、前後の文体からどちらと解釈するのか考えないといけません。
「見合う」を使った例文と意味を解釈
「見合う」を使った例文と、その意味の解釈になります。
上にも挙げた、人に使う特殊な場合以外はとって代わることだと考えておいていいでしょう。
「持っていた時計を売って、見合う現金に換えてきた」
質屋などで手持ちの時計を売り、その価値に相当する現金にしたと言っています。
このような場合、必ずしも見合うものか分かりませんが、それほど大きく異なることもないでしょう。
「似合う」を使った例文と意味を解釈
こちらは「似合う」を使った例文と、その意味の解釈になります。
ファッション関係に使われる場合が多いのはご存知の通りです。
「いいジャケットを買ったが、今度はそれに似合うパンツが欲しくなった」
そのジャケットと一緒に着用してもおかしくないパンツが欲しいと使っている例になります。
その手の基準は人それぞれですが、高額過ぎるものはそれに似合う各種のアイテムの選択も難しくなります。
まとめ
このように、「見合う」と「似合う」は、発音だけでなく、意味も似通ったところがある言葉です。
どちらが合っているのかをきちんと確認した上で使ってください。